発達障害

2024年04月17日

文字でのコミュニケーション -1-

コミュニケーションがすべてダメなのか?
といえばこれは少し違います。
確かに面と向かってのコミュニケーション、言葉やしぐさによる
コミュニケーションは壊滅的です。5歳の子供にも劣るでしょう。
しかし、不思議なことに文字でのコミュニケーションに関しては
それほど苦手ではないのです。

私は一時期チャットにはまっていました。
文字だけで話す、ネット特有のコミュニケーションです。

面と向かってのコミュニケーション。リアル世界でのコミュニケーション下手に
打ちのめされた私は、それでもコミュニケーションが取れない寂しさから人との繋がりを
求めネットをさまよっていました。そんな時偶然チャットと出会いました。
大勢で賑わっているチャットルームを見かけたのです。
(今ではもうなくなってしまったチャットの大手HPでした)
そこでは様々なハンドルネームの人が文字だけのコミュニケーションを楽しんでいました。
最初は人恋しさからいくつかあるチャットルームを眺めているだけでした。
人のやり取りに触れているだけでも寂しさが癒されたのです。

その日、チャットには誰も人がいませんでした。
私は適当な名前を付け、思い切ってチャットに入ってみました。
ほんのちょっとだけ、チャットで呟いてみたくなったのです。
ちょっと待ってみましたが、誰も入ってきませんでした。
安堵しつつ、なんとなく思ったことを呟いてみたのです。
うろ覚えですが、暑かったことを呟いたように思います。
すると人が入ってきたのです。
そして「こんにちは」と挨拶をしてきました。
私は慌てました。とりあえず「こんにちは」と返し、どうしよう。
何と返せば良いんだろう。と頭が真っ白になりました。

ponkoturobota at 20:59|PermalinkComments(0)

2024年01月26日

孤独・孤立


発達障害と切っても切り離せないものといえば孤独・孤立です。

私は子供のころからずっと孤独・孤立に悩まされてきました。

学生時代は地獄のような日々でした。
簡単に言えば、学校の休憩時間中ずっと机に伏せて寝ている子供。
それが私でした。

新学期が始まったとき、頑張って友達を作ろうとしました。
話し方の本で得た知識通り、自分から話しかけ、笑顔で聞き上手を心がけようとしました。
しかし基礎的なコミュニケーション能力の欠如(共感力や発想力の欠如)や、
発達障害ゆえの挙動不審もあり、数分話すと相手が気まずそうに私を避けるのです。
そしていつもの通り孤立していきました。

結局私にできることは机に突っ伏して寝るだけ。
本当は寝たくなんてなかったのです。皆が賑やかに話している中で、自分は話す相手はいない。
かといってやることもない。だから寝ているふりをしていただけなのです。

グループでの課外活動や二人組になってやる体育の授業などは地獄のような時間でした。
誰とも組むことが出来ず、先生と体操したり、あるいは一人でポツンと何もせずやり過ごす
のがいつもの過ごし方でした。先生方にとっては困った生徒だったと思います。

孤立している私を気にかけてくれる先生もいました。
グループ分けの時など、それとなくクラスのリーダー格の生徒に声をかけてグループに
私を誘うように言ってくれたのです。確かに余りものとして晒されないのはありがたいこと
ではあります。しかしそのような生徒の属するグループは人気者ばかりが集まっている
グループです。異物にしか過ぎない自分がそのようなグループの中で過ごすのもまた地獄でした。


ponkoturobota at 22:13|PermalinkComments(0)

2023年04月12日

ギフテッド

先にも話したように互助会には必ず「仕切り屋」がいました。

それらの大半が「ギフテッド」と言われる存在でした。

簡単に言うなら
「特定分野の勉強や芸術、運動、リーダーシップなどで突出した
才能を持つ人のこと」となります。
(特定分野に全ての能力を全振りしてしまい、
対人関係や社会的な能力が異常に低い人、とも言えます)

経営者でいうならイーロンマスクが有名です。
芸術の分野だと独特の色彩感覚などで
成功しているギフテッドも意外に多いようです。

仕切り屋の大半が高IQの持ち主で有名大学を出ていました。
(聞かれてもいないのに出身大学のことをにおわせたり、
経歴を語るのです)
華々しい経歴を誇ってはいても、対人関係や社会性の欠如
(空気が読めない。時間が守れないなど)で躓いて現在は無職など、
経歴とは相反する現状にいるのが実情でした。
(そもそも成功者は互助会に来ないので当たり前と言えば
当たり前なのですが)
現状の救われ無さ故にギフテッド以外の人間を見下して
自己満足に浸っているような部分が多々見受けられるのです。

引いた目で見るならば互助会に参加しているのは
弱者タイプの発達障害者。
ギフテッド、非ギフテッド、どちらも社会に受け入れられない
悩みを持つ者が大半だったのです。
にも関わらず弱者の中でも上下関係を意識せずにいられない
ギフテッドは悲しい存在と言えるかもしれません。




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ponkoturobota at 19:26|PermalinkComments(0)

2023年04月05日

互助会の負

最初の互助会はとても心地良いものでした。

私はその心地よさ-人との触れあいの温もりを求めて
様々な互助会に参加するようになりました。

本当に様々な互助会がありました。
(ネットには様々な互助会の情報が流れています)
例えば中年のみや、働いている方のみ、
発達障害診断済みの方のみ、グレーゾーンの方のみ、
男性のみ、女性のみなど。
人数も5人程度で一つの座を囲む小規模な物から、
20人を越える参加者でテーマごと(仕事や薬、人間関係、
治療に関する疑問等)に分かれて座を囲むような大きめの会など。
参加費用も無料から500円程度のものや、
三千円を越える参加料を取る会など、費用も様々でした。
(費用によってどのように違うのか?
費用よりも参加者の質次第な部分があります。
ある程度の額の会は就労できている人が多い=障害の軽い人が多い
とは言えるかもしれません)
互助会も主催者の考え方によって特色があるのです。

私はそのような場でも浮いていました。
帰りに連絡先を交換しているような参加者も少なくはなかったのですが、
私は一度もそのようなことはありませんでした。

しかし心地良い場所だったことは確かです。
(大きな場ではうまく溶け込めずに苦痛でしたが、
少人数の会はとても心地が良かったのです)
参加者は大なり小なり同じ悩みを共有している方だけです。
つっかえつっかえ話したり、言葉足らずだったとしても、
誰も馬鹿にしたりすることなくちゃんと話を聞き、
自分なりの考えを伝えてくれます。励ましてもくれます。
何度も参加していると挨拶する程度の顔見知りも出来てきます。

そのような場で自分の気持ちを吐き出すことはとても心地良く、
普段人との接触のない私にとって、人との繋がりの感じられる
得難い場所でもあったのです。

週末の互助会に参加する、
それが私の楽しみとなっていきました。

無論楽しいことばかりではありませんでした。

10回近く参加した頃でしょうか。
最初は高揚して目に着かなかった互助会の負の部分が
徐々に見えてきたのは。

どの会でもかならず仕切り屋が存在するのです。
例えば冒頭の挨拶で「今日は悩みを話すのをやめて
前向きなことだけ話しましょう」など、自分のルールを当たり前のように
押しつけてくるのです。
むろん主催者はやんわりと制止します。
しかしその手の仕切り屋は受け付けません。
自分のルールに従わない人間をにらみ付けたり、威圧してくるような
場面に多々遭遇したのです。

仕切り屋はまだ我慢出来ました。
(大抵は主催者が制止するか、
それでも聞かぬ場合は退場させられます)
私が決定的に互助会から離れた理由…。
それは「発達障害者で商売をしようとする人間」の存在でした。

ある互助会に参加した時の出来事です。

互助会の主催者は「発達障害」に関する本を何冊か出版している
男性でした。事ある事にそれとなく自分の本の宣伝をしてくるのです。
まず本のセールスに辟易しました。
それに加え、「ライター」が紛れ込んでいたのです。
自分も発達障害だと自己紹介した男性がいました。
しかし、会の最中ずっとPCで文字を打ち込んでいます。
時折質問をしては参加者の返答をパチパチと打ち込んでいるのです。
さらに良く見れば男性の手元には録音機材が置かれていました。
明らかに発達障害者を装ったライターの取材活動だったのです。
この手の人間は取材だということを明かすことはしません。
あくまで発達障害者を装って互助会に紛れ込み情報を引き出そうとするのです。

弱者商法とでも言うのでしょうか。
どうやら発達障害という分野で食っている人間も少なくないようで
参加した互助会で何人かの「ライター」のような存在と遭遇しました。
その手の人間は自分の悩みなど話さずに「取材」口調で聞きたいことばかり
聞いてメモをしているので存在はすぐ解ります。

「クローズな場」だからこそ安心して悩みを打ち明けることが出来たのです。
発達障害を食い物にするような存在と遭遇するたびに幻滅していき、
やがて参加すること自体やめてしまったのです。


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ponkoturobota at 10:26|PermalinkComments(0)

2023年03月29日

互助会

レクサプロの服用を始めたからと言って、
何がどう変わったということはありませんでした。
明確な効果は実感出来なかったのです。

何か出来ることはないか?
発達障害についてネットで調べている時に出会ったのが
「互助会」の存在でした。
カウンセラーやNPO法人が開催する会で、発達障害を持つ者や
カサンドラ症候群(発達障害の夫にモラハラなどを受けた妻)の会が
比較的頻繁に催されているのです。

そこで発達障害者同士で情報交換をしたり、
悩みを聞いてもらったりするという、まさに互助会なのです。

無料の会もあれば、コロナ前だと大体500円の参加費が主でした。
高い会だと三千円の会費というのもみかけたことがあります。
それぞれの主催者の裁量で互助会が開催されていました。
(今だと千円の参加費の会が多いようです)

私がまず選んだのは比較的近く
-自転車でいける範囲で行われる会でした。

男性カウンセラーが主催者で、地域企業の好意で解放されている
小さな会場での集まりでした。

500円の会費を支払うと、適当なところに座り、
お菓子と飲みものが手渡されます。

大体7人ほどは参加者がいたでしょうか。
この回は女性の方が多い珍しい会でした。

まずは簡単な自己紹介をした後、
最近あった良いことを一つ話す。それが会の決まりでした。
(話したくない場合は聞くだけでも構わないとも言われました。
また人の意見を否定しないことと、自分の意見を押しつけない
というのも決まり事のひとつでした)
私も簡単な自己紹介をした後で、適当に最近あったことを話しました。

その後「悩み事」というテーマで話しを始めました。

皆それぞれが悩み事を話していきます。
この手の会で必ず扱われる「薬」に関してや、
「家族関係」「仕事」「対人関係」「診療」
など、それぞれがテーマを提示します。
それに対して主催者や参加者が自分の経験や
思った事を話すのです。

私は「対人関係」について話しました。
まったくコミュニケーションが取れないと。
皆それぞれが励ましの言葉や、自分の経験を語ってくれます。
話している内にすーっと気持ちが軽くなりました。
自分の内にある「悩み」を口に出すこと。
それも同じ悩みを持つモノ同士の中で自分は1人ではないと
感じられること。
それだけで随分気持ちが楽になり、救われた気持ちになったことを覚えています。

とても良い感触で初めての互助会は終わりました。




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ponkoturobota at 11:42|PermalinkComments(0)