2024年04月24日
文字でのコミュニケーション -2-
相手は私のつぶやきを見て、暑さについての話題を振ってきました。
暑いので電気代が大変だ、ということだったと思います。
現実での私なら頭が真っ白になり、挙動不審になっているところです。
そして「そうですね」と答えるのが精いっぱいです。
しかし文字だけのやり取りで、しかもチャットだと相手の顔も見えないし、
こちらの様子も見えません。何より充分考える時間が取れるのです。
相手に電気代がいくらなのか?とたずね、相手が答え、それに対して驚く、
という極々普通のコミュニケーションが取れたのです。
そして相手は猫を飼っているので冷房をつけっぱなしなのだと教えてくれました。
私はどんな猫なのか尋ね、相手はそれに答えてくれました。
保護猫をもらってきて、受け入れるのにずいぶん基準が厳しくて大変だった
という話だった記憶があります。私は保護猫を飼うことが難しいというのが意外だったので、
それをそのまま伝えると、相手が保護猫の厳しい引き受け事情について詳しく話してくれました。
それが、円滑にコミュニケーションがとれた人生でほぼ初めての経験でした。
その時の嬉しさ、高揚感は未だに忘れられません。
人と意思疎通のできる嬉しさ、たわいもない雑談ができる楽しさ。
それは何よりも求め続けてきたモノだったのです。
それ以来私はチャットに入り浸りました。
ほぼ毎日チャットで誰かと話すことが日々の楽しみとなったのです。
今考えれば、チャットで上手くコミュニケーションが取れた理由はいくつか
思い浮かべることが出来ます。
文字による情報は混乱せず受け取ることが出来ること。
対面でないことで、自分の挙動不審が相手に伝わらない。
それによって社交不安による緊張が起こらない。
また自宅で話していることでリラックスして話すことが出来る。
互いに文字を打つことによるタイムラグがあるので考える時間がある。
相手に伝えることを推敲する時間が取れる。
それに加えて素性が解らない安心感もあったと思います。
それらの要素によって、今まで諦めてきた人とのやり取りが出来たのです。
ponkoturobota at 21:28│Comments(0)